イランミーリー工房の織物と象鯨彫刻家具
大磯世代工房
開館時間 11:00~17:00
17(月)休館
使える絵画・使える彫刻
象鯨世代工房は、大磯高麗山の麓にあります。
隣は高来神社の境内です。鬱蒼と茂る、木々。
午後の木漏れ日が、ステンドグラスを通して展示室に鮮やかな陽を映し出します。
赤青緑を基調とした光の三原色で構成されるステンドグラス。それに対して色材の三原色を基調とするのが、miriの織物です。
茜、藍、ジャシール、胡桃の皮、柘榴の皮。この5色のみを使い、染められた手紡ぎの羊毛。
この天然素材のみを使い、原寸大の下描き(設計図)を元に熟練された織り手さんが、長い年月をかけて丁寧に作り上げてゆきます。これは「使える絵画」だと思います。
象鯨彫刻家具は、主に湘南周辺の倒木や伐採された広葉樹を使っています。
約30年間、この自然素材を貰い受け、原木の個性を引き出した作品を作っています。
ただ飾るだけの彫刻ではなく、「使える彫刻」として棚に見たてたり、椅子やテーブルとして使ったりします。
初秋の午後、三原色が織りなす豊かな色彩、使える芸術作品を堪能して下さい。
*象鯨世代工房厳選の、miri工房とsoleymanieh fini工房の織物約50点を象鯨彫刻家具と共に展示しております。
彫刻に座り、絵画を眺めてください。
[ミーリー工房]
サファヴィー朝期の絨毯制作の伝統を継承し、失われつつあった地域、部族の織や意匠を復興させたとして、世界的に高く評価されています。アディル・ペシム・オスカー賞やDOMOTEXでのデザイン・アワードでの受賞など、権威ある賞に輝き、作品は多くの美術館に収蔵されています。また、近年ミーリー工房は120年途絶えていた幻の織とも言われる真珠織を甦らせました。2011年、京都・祇園祭の山の懸装品としてかけられ多くの人々を魅了したことは記憶に新しく、ミーリー工房の歴史にも新たな1ページが刻まれました。*収蔵先ロンドンヴィクトリア&アルバート美術館、テヘラン絨毯博物館、岡山市立オリエント美術館、九州国立博物館
[ソレマニエ・フィニィ工房]
カーシャーン、タブリーズはかつて王室工房があり、ここで織られた絨毯はペルシャ絨毯の最高峰と称されました。16世紀から19世紀にこの地で制作された絨毯の名品を手紡ぎ草木染の羊毛や座繰りの絹を用いて、伝統的な製法により蘇らせているのがソレフィニです。また、アゼルバイジャン地域の伝統織であるスマック織、真珠織の技術を継承し、現代では見られなくなっていた貴重な文様を復活させています。
196年の時を経て復活した京都祇園祭の鷹山にはミーリー工房の絨毯と共にソレフィニの絨毯が胴懸として掛けられ、披露されました。
[象鯨彫刻家具]
木彫作家が制作・監修する「使える彫刻」
神奈川県湘南エリアの都市型伐採樹木や倒木を、様々な関連事業者から貰い受け制作しています。
捻れ、歪み、割れ、曲り、節くれだった原木から、チェーンソーで切り出される作品は、荒々しく、重厚であり且つ繊細で軽快な趣も併せ持ちます。
その野趣あふれる作品は、米国や欧州の力強い住空間に人気があり近年100点以上が海を渡っています。国内では、Chloe、LOUIS VUITTON、GALLARDAGALANTE、ebure、studiotantaをはじめ様々な商用スペースに採用されています。